バドミントンの練習を始めて「もっと上手になりたい」「力強いスマッシュを打ちたい」「フットワークを鍛え、俊敏に動けるようになりたい」など、目標を持って練習に取り組むことは上達への近道です。
そのために「筋肉をたくさんつけよう」などと、筋肉を大きくするだけのウェイトトレーニングや身体の一部分に大きな負荷のかかる練習ばかりしていると、身体が重くなったり動きが鈍くなってしまうばかりでなく、肘や膝、肩などに痛みを感じて練習自体お休みすることになってしまうこともあるかもしれません。
そうならないためにも、バドミントンで痛みの出やすい「肘、膝、肩」の痛みの症状と原因を知り、予防や対処法についても知っておくことで、怪我をせず安全にプレーを続けることが結局は上達への近道とも言えるでしょう。
最近は、低年齢のプレーヤーでも、インターネットやYouTubeなどで選手のプレーや練習方法などが簡単に知ることができるので、自分のレベルに合わせた練習メニューを意識することが大切です。
少しの時間を使って、最後までしっかりと読んでみてくださいね。
バドミントン肩の痛みの症状と原因。予防と対処法は?
バドミントンに限らず、スポーツにはその種目特定の動きをすることで痛みの出やすい部位があります。バドミントンの痛みや故障で多いのは、肩、肘、膝といった関節部分です。
- フォームが悪い
- 肩に負荷をかけ過ぎている
- 練習のし過ぎ
- ストレッチや準備運動不足
- 重いラケットを振り回している
肩の周りには多くの筋肉が集まっており、傷めてしまった筋肉によって出る症状も違います。
「バドミントンでスマッシュやクリアなどを打つときに肩の付け根が痛い」
「肩が痛くてあまり上がらない」
「フォロースルーのときに肩甲骨あたりに痛みを感じる」
などの痛みを感じた場合、まずは「フォームに原因がないか?」見直してみましょう。
正しくきれいなフォームで打てると、腰や体のひねりといった動きの力を腕やラケットヘッドまで無駄なく伝えることが出来るようになり、痛みを生じる原因となる関節への負担をかなり減らすことができます。
「正しいフォームで打てているかどうか」を確認するためには、鏡の前で素振りをしたりコーチや先輩など第三者にフォームをチェックしてもらうといいですね。定期的にフォームを確認することで、身体に負担のかからない綺麗なフォームを維持することができ、痛みの予防につながります。
次に「フォームは正しいけれど素振りや練習のし過ぎで肩を傷めてしまった」という場合には、毎回の練習終わりにストレッチをする前に傷めた箇所にコールドスプレーや氷などを当てて、アイシングをします。練習後早めに対処し、腫れや赤みを最小限にとどめるようにしましょう。
また、肩に負担のかかる練習が多いと炎症を起こして痛める原因になってしまいます。練習のバランスを考え、フットワークや瞬発力を鍛えたり、スタミナUPのためのメニューを増やしてみることも検討してみましょう。
バドミントン肘の痛みの症状と原因。予防と対処法は?
次に「肘の痛みについて」です。
肘の関節は、曲げる、伸ばす、ひねるという動作の組み合わせで動かしています。
ひねる動作がわかりづらい人は、力こぶのあたりを反対側の手で支えて、手のひらを上向きと下向きに返す動作をするとわかると思います。
これらの動作の速さと、ショットを打った時の衝撃が肘関節にダメージを与えてしまいますので、何も対策せずに練習を続けていると疲労が蓄積して故障しやすいです。
- 体が固く、腕だけでラケットを振ってしまう
- 肘に負荷をかけ過ぎている
- 練習のし過ぎ
- ストレッチや準備運動不足
- スマホやゲームのしすぎで腕周りの筋肉が固くなっている
主にこれらの要因がありますが、入念なストレッチやアイシングで予防することは充分に可能です。
皆さんはテニス肘という名称を聞いたことはありませんか?
テニス肘の正式名称は「上腕骨外側上顆炎」といい、上腕筋の起点となる肘の部分を過度に動かすことによって腱と骨の接合部分が擦れあって炎症が起きるといわれており、テニスやバドミントン、ゴルフなどの球技でよく見受けられる怪我の一つです。
バドミントンで肘が痛いときは、まずはこの「テニス肘かどうか?」を疑ってみましょう。
テニスやバドミントンにおいて、インパクトの瞬間の衝撃は手首や肘、腕に伝わります。
腰や身体の回転を利用せず、手だけを使って打つなどの間違ったフォームでストロークを続けると、その衝撃が関節部分で繰り返されることで疲労し、テニス肘を引き起こす要因となってしまいます。
痛みを放置しているとストロークのときだけでなく、腕の曲げ伸ばしやタオルを絞る動作をするときなどにも痛みが現れることもあります。
何も処置をせずそのままにしておくと、競技が続けられなくなるばかりか日常生活に支障をきたすような痛みも起きる可能性があるので、1ヶ月以上、痛みが続く時はすぐに病院で診察を受けるようにしてください。
テニス肘を予防するには、まずフォームの見直しや改善をし、過度に肘への負担がかからないようにします。
また、筋や腱の柔軟性を高めるために、手首から肩にかけての入念なストレッチ、マッサージなどをするのも効果的です。
既に痛みが起きている場合は、肩のときと同様に氷やコールドスプレーを使ってアイシングを行います。
また、肘用のサポーターをすることで腕の曲げ伸ばしの際に肘への負担を軽減することができます。
もしもテニス肘が疑われるようなら、早期治療をすることで回復も早いといわれていますので、痛みを放置せず早めに対処するようにしましょう。
バドミントン膝の痛みの症状と原因。予防と対処法は?
バドミントンのプレー中はコート内を激しく動き回り、ショットを打つ瞬間は一瞬止まるため足や膝に衝撃や負荷がかかります。
- 足首が硬く床からの衝撃を吸収できずに膝に負担がかかる
- 股関節など他の部位に問題を抱えている
- 練習のし過ぎ
- ストレッチや準備運動不足
- 普段から姿勢が悪く、膝に負担がかかりすぎている
また、身体を別の方向に向けるときに足や膝関節を捻って回転するような動きになるため、膝関節の接合部がこすれるために炎症が起こり、膝に痛みが起きると考えられています。
練習においてはフットワークやスクワットなど、膝や足を使う練習を長時間にわたって行うと負荷が大きく痛みにつながりやすいため、同じ動きをする練習を長時間行うことは避け、全身や全体のバランスを考えたメニューに取り組むことが大切です。
練習内容に偏りがありすぎると、骨盤にずれが生じて体のバランスが悪くなり、膝や腰、背中など様々な部位に障害が出てくる状態になってしまいかねませんので、毎日練習する場合は1日目は肩まわり中心のメニュー、2日目は体幹を鍛える、3日目は足腰まわりなど部位ごとに休みを取らせると良いでしょう。
また、練習や試合前には十分なウォーミングアップやストレッチを行うことで怪我の防止につながります。
もし膝や足に違和感を感じたときは、膝用サポーターやテーピングをすると膝への負担が軽減できるので、着けてみてはいかがでしょうか。
バドミントンとスポーツ障害。予防にストレッチは有効?
バドミントンという競技は機敏な動きが求められるため、肩や肘、膝などに負担がかかりやすいスポーツではありますが、選手がなりやすい(または経験したことのある)スポーツ障害はどのようなものが多いのでしょう?
神戸学院大学の研究(http://www.reha.kobegakuin.ac.jp/~rehgakai/journal/files/no7-2/ronbun13.pdf)によると、
バドミントン選手のスポーツ障害調査で障害を経験したことのある部位は第1位が肘関節、2位が肩関節、3位が膝関節となっていて、外傷では捻挫、肉離れ、靭帯損傷、障害ではテニス肘、腰痛、腱鞘炎など「バドミントンの競技特性に応じた怪我が多い」ことが分かります。
では、これらバドミントンにおけるスポーツ障害を予防するために「ストレッチを行うこと」は有効なのでしょうか?
答えはもちろん「有効」です。ストレッチを行うことはスポーツ障害やけがの予防だけでなく、柔軟性を高め、筋肉の可動域を広げたり疲労の回復を早めるなどの効果があり、プレーにおいては技術力の向上にもつながります。
身体が硬いままでハードな動きをすると、スポーツ障害はもとより、さまざまな病気や怪我
の原因になってしまいます。
ストレッチは入念に行い、バドミントンの動きで使う筋肉や部位をしっかりと伸ばし、ほぐしましょう。
練習前に行うストレッチでは、身体の深部体温をあげて温めたり、使う筋肉や関節などの可動範囲を広げ動きを高める目的で行います。
練習後のクールダウンで行うストレッチは、スポーツ障害の予防の他、疲労回復を高める効果もあります。
バドミントンで肩や肘、膝などに痛みを感じている方、「今までストレッチにあまり時間をかけていなかった」という方は是非、ストレッチに特化した本や動画などを参考にしっかりと取り組みましょう。
バドミントンで肩や肘に優しいケット選びとは
これまではバドミントンの肩や肘の痛みの原因と予防、対処法などについてお伝えしましたが、
フォームの見直しやストレッチ、サポーターなどをしていても普段から肩や肘が痛いという方は、「重いラケットを振り回してしまっている」などということはありませんか?
5Uや6Uなどの、上級者向けの重いラケットを力まかせに振り回していると、スイートスポットに当たらないばかりか肩や肘、手首、腕などに負担がかかり、スイング時の衝撃で痛みが生じることがあります。
このようなことにならないために、特に初心者やシニア、女性の方は軽めのラケットを選んでみてはいかがでしょう。
最近の軽いラケットは操作性もよく、初心者や女性、シニアの方でも疲れにくく扱いやすいです。
試合(特にダブルス)では素早いラケットさばきや繊細なショットが求められることもありますが、軽量ラケットなら肩や肘、手首、腕などへの負担も軽減でき、コントロール性も向上します。
もしあなたが「ラケットが重すぎて肩や腕に負担がかかっているかも?」と思われたなら、まずはラケットの重さを確認して下さい。
※「自分の使っているラケットの重さが分からない」という方は、ラケットに貼られているシールを確認してみましょう。
「3u」「5u」など、数字+f・uなどの記号が書かれていれば、それが重さ(重量)の表記です。
YONEXの規格では
- 2F・・・68g(±2)
- F・・・73g(±2)
- 5U・・・78g(±2)
- 4U・・・83g(±2)
- 3U・・・88g(±2)
- 2U・・・93g(±2)
となっています。
「30gくらいの差でそんなに違いがあるの?」と思ってしまいそうですが、実際に振ってみるとスイングスピードや肩や肘などにかかる負担も違うのがよくわかります。
【Q&A】ソフトテニス経験者です。バドミントンでスマッシュをすると肩が痛いのですが何か対処法はありますか。
<質問>
1週間ほど前にバドミントンをした際、スマッシュを打ったときに右肩が痛くなってしまいました。
私は元々ソフトテニスをしていたのですが、まわりの人から「バドミントンのラケットやシャトルは軽いので、ソフトテニスのようにスマッシュを打つと肩を痛めるよ」と、言われました。
いまだに右肩が少し痛みます。スマッシュを打っても肩が痛くならないようにするには、どうすればいいですか?
<回答>
ソフトテニスでスマッシュを打つときは、素早くボールの落下地点に入り「弓矢を引くように」ラケットヘッドをかまえて高い打点で腕を振り下ろすと同時に、少し体を回転させて打ちます。
バドミントンではテニスとは違いラケットもシャトルも軽いので、同じような動きでスマッシュを打つと力の反動が全部肩に残ってしまい、肩に大きな負担がかかってしまいます。
バレーボールのように腕に直接の衝撃がくるというよりは、自分でラケットを振った勢いが、手首や肩に残るイメージです。
テニスのスマッシュとの違いは、腕を上げるところは同じですが手首の返しと肘を使って内旋動作を意識して振り込むと、肩に負担をかけずに角度のあるスマッシュが打てるようになります。
【Q&A】バドミントンで肘が痛むのですが、練習のしすぎでしょうか?
<質問>
高校生女子です。部活動でバドミントンをしているのですが、最近になって肘と太ももが痛むようになってしまいました。
練習のしすぎなのでしょうか?
<回答>
毎日、練習をたくさんしていても、肘が痛くなる人とならない人がいます。
テニス肘は「オーバーユース(使いすぎ)」だから肘が痛くなるといわれていたりもしますが、正しいフォームを身につけていれば肩や肘に無理な負担はかかりません。
テニスやバドミントンで肩や肘が痛くなるのは、崩れた姿勢や「肩の位置が下がっている」ことが原因です。
肩の位置が低いと打つときに肩や肘に無理な力が加わり、痛みが生じてしまうことがあります。
片側だけを酷使する運動ですので、スマッシュなど特定の練習をしすぎることでも、股関節や太ももへの衝撃から炎症を起こすことも考えられます。
正しいフォームと身体の使い方を理解し、鏡の前で練習するなどして習得しましょう。
テニス肘は「早めのケアで治りも早い」といわれています。練習中や練習後に肘が痛くなってしまったら、あなたがバドミントン選手とかで無くても、「そのうち治るだろう」と放っておかず、すぐにお医者さんに診てもらうようにしましょう。
まとめ
もしあなたがバドミントンで肘や膝、肩などに痛みを感じたなら、まずは普段の練習メニューやフォームを見直すという方法もあります。
(痛みが強い場合や痛みがなかなか引かない場合には、直ちに医師の診断を受けること!放っておくと、アキレス腱の損傷など大きな怪我につながる恐れがあります。)
また普段の練習メニューを見直し、肩や肘、膝など特定の部位に過度な負担がかからないようにバランスよくメニューを組むことで、痛みの予防はもちろん、練習の質や技術の向上にもつながります。
また、特定の部位の痛みはフォームの改善によって緩和されることがあります。
あなたが右利きだとして普段から股関節の固さにより可動域に制限がかかっていることで左膝に痛みを感じたとします。
接骨院や整形外科で診断してもらい、これ以上悪化させないための治療は必要になるでしょうが、痛みを感じる根本的な原因を取り除かないとずっと悩まされることになってしまいます。
対処方法のひとつとしてはストレッチによる可動域トレーニングと併せてラケットヘッドの上げる位置や高さを変えることでも左膝にかかる負担を減らすといったこともできます。
もしくは右膝に故障を抱えていてそれをかばう動きで右足の運びが悪くなり、反対側の左膝に影響を与えている可能性も考えられます。
鏡の前でチェックしたり、コーチに見てもらったりすることで、理想のフォームを追求することでより体への負担が少ない練習ができることでしょう。
ウォーミングアップやストレッチはプロの選手や上級者ほど、丁寧に行い、自分にあった動きを取り入れていることがほとんどです。
長く競技を続けるためにも、怪我をしないことや身体のケアはとても大切です。自分の競技レベルに合わせた練習強度になるよう、回復する時間も含めて仲間やコーチと話し合うことも時には必要ですね。
試合や練習前のウォーミングアップ、プレー後のクールダウンなどもしっかりと行い、筋肉や関節への負担を減らし、怪我無くバドミントンを楽しく続けていきましょう。
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